誰にでもやってくる老後 老後の生活費

かつては「老後はのんびり隠居生活を・・・」といった時代もありましたが、昨今は歳をとっても働かざるを得ない人が増えています。私たちを待っている老後の生活をちょっと考えてみましょう。

 

<そもそも老後っていつから?>
老後という言葉はよく耳にするものですが、いったいいつからを老後というのでしょうか。いくつか文献を調べて見ましたが、「何歳から」といった明確な数字は出てきませんでした。細かく考えていくと話がややこしくなるので、ここでは会社を退職し、主な収入は年金という生活を老後として考えてみましょう。

 

<実はそれなりに生活していける人も多いはずの老後>
一般的な会社員だった人が受け取れる年金は150~250万円くらい。加入期間や加入期間の収入額で変動するので、これから外れる人も多くいます。現役時より明らかに収入が減る人も多くなるでしょう。これでは、生活が成り立たなくなると感じる人もいるでしょう。

 

では、老後はみんな生活が苦しくなるのでしょうか?総務省の2012年家計調査によると、60歳以上の世帯主がいる2人以上の世帯では約3分の1が、2500万円以上の貯蓄額があるというのです。老後のために貯めたものかどうか分かりませんが、これを切り崩して生活していけば、そこそこの生活ができるはずなのです。

 

<老後のために貯めた貯金を切りくずすのをためらわせる社会事情>
老後にしっかりした貯蓄があるなら、今こそ使うときとのように思えますが、現実はそうなっていないようなのです。消費税増税、医療費の負担割合引き上げなどの社会不安がその一つ。さらに、まだ住宅ローンが残っている、子供にまだお金がかかるなど高齢出産や晩婚化に起因するような理由も。これでは、いくら貯蓄があっても不安で、せっかく貯めたお金をいつまでたっても使えないということになりかねません。

 

シニアが安心してお金を使える社会。 それは消費の促進につながり、景気回復を後押ししてくれるはずです。ただし、これは貯蓄のある現在の高齢者の話。ワーキングプアなどが取りざたされる現役世代は、老後資金まで用意できるかどうか・・・。